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治療前後で変わった、交差点での「見え方」【emalog 第2回 あっきー】

治療前後で変わった交差点での見え方

 血液疾患の経験者が繋ぐ交換日記、emalog。

 なかしょーからパスをもらったので、僕自身が日常で感じたことを共有できればと思います。

 …とは言ってもいざ書くとなると、ウケを狙いにいった方が良いのか、最近飲んだスイカジュースのことを書くのが良いのか非常に悩みました。

 あまりテーマががんに寄ったものになり過ぎない方が今後良いのかなーとも思ったのですが、最初ですし「血液疾患の経験者が繋ぐ」というテーマ通り、がんの経験に関連することについて、最近よく話していることを書こうと思います。

交差点での景色

 リンパ腫の治療前と治療後で変わったことがいくつかあります。体力が落ちてしまったり、ドライアイになってしまったり、妊よう性がなくなってしまったり。

 これらような身体的な変化に加えて、僕がリンパ腫の治療前後で大きく変わったなと思うのは、交差点での「見え方」です。

 病気になる以前は、交差点を歩くときは早足で、もし向こうから歩いてくる人とぶつかりそうになっても直前でサッと避ければ良いと考えていました。僕の目には道行く人たちはみんな元気で健康に見えていました。みんな自分と同じように動けると思っていたんです。今思うと本当に危ないですね。

 リンパ腫になり骨髄移植をした後は、筋肉も落ちて歩くのもフラフラでした。当時は免疫抑制剤も飲んでいたので、万が一転んで傷口から感染したら大変だなと思い、足元に気を付けて歩いていたのを思い出します。

 自分がそのような状況になり、先ほどと同じ交差点を訪れたとき、この交差点を歩く人たちの見え方が変わっていることに気が付きました。同じように人が歩いているだけなのに、以前とは全く違った人たちに見えたんです。

 僕がぶつかるのが怖いと感じているように、この道を歩く人たちの中には体調が悪い人もいるかもしれない。もしかしたら障がいや疾患がある人もいるかもしれない。病気だけではなく、何かしらのマイノリティであったり、悩んでいたりするかもしれません。

 見た目は普通でも何か抱えているのかもしれないと、恥ずかしいことに病気になって初めて強く意識しました。

 がんになったことが喜ばしい出来事とは全くもって言い難いですが、治療を境に今まで知ってはいたものの、身近に感じることはなかった世界に触れることになりました。

 がんになって出会った人・できた繋がりを入口に、少しでも視野を広げることができたなら、しんどい治療を耐え抜いたあの頃の自分に少しは報いることができるのかもしれないな、と思ったりしています。

 皆さんは何か見え方が変わったことってありますか?

ABOUT ME
akky
悪性リンパ腫になって骨髄移植をしました。emaremo代表。甘党。漫画はONE PIECEとSKET DANCEが好きです。
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